WORSHIP, MOURNFUL CONGREGATION, STARGAZERなどオリジナリティあるドゥームメタル、デスメタルを多数リリースする日本のWeird Truthのオーナー、Makotoによるオーストラリア、アデレードでのライブリポート。
目玉はなんといっても話題の怪奇クトゥルフデスメタル、PORTAL!! ではMakoto、リポートよろしく!
やってきました! オーストラリア南の都市アデレード。日本からの直行便が無いので、ここ日本ではシドニーやメルボルンといった都市に比べて若干マイナーな感じですが、近くにはワインが名産のバロッサバレーなどもあり、観光地としてもなかなかいいところです。といっても、これでこの町にくるのは3回目ですが毎回ほとんど観光してないんですけどね・・・・。
今回はライブ始まる前にちょっろとだけ町を散歩してみました。教会の町といわれるだけあって、教会だらけでした。通りがきっちり碁盤の目状になってて、なんとなく京都っぽい町並みです。
では、ライブリポート。
Oath of Damnation
一番手はex-DarklordのメンバーによるシンフォニックブラックメタルのOath of Damnation。中央に置かれた机は何ぞや？と思っていると、そこに見事な七三分けのヴォーカルが登場!
まるで説教でもするかのようにその机から叫び続ける様は異様な雰囲気! その机の裏にはキーボードが仕込んであるようで、シンフォニックな音色を振りまいております。ベースはまるでCrimson Gloryのような仮面姿! とにかくこの二人の見た目のインパクトが凄まじい! ギターはかなりのテクニシャンで、ピロピロとテクニカルなフレーズをキメまくってました。
バンドはまだ新しいですが、メンバー自体はベテランなので安定感のある演奏でしたね。
Intellect Devourer
当初出演予定だったJohnny Touchのメンバーが交通事故で入院してしまったため、急遽ピンチヒッターに抜擢されたのが知る人ぞ知るこのバンド!
2006年に来日したこともあるStarGazerの前身バンドで、今回がなんと1994年からほぼ20年ぶりとなるライブ! そのStarGazerのギター/ヴォーカルDennyがドラムを務め、ヴォーカルはCauldron Black RamのTroy、ギターはThe Harrowed、SarsekimなどのDarrenとMournful CongregationのベースBen。
その音楽性はスラッシュ風味のあるオールドスクールデスメタルで、所々後のStarGazerにつながる変態チックな要素がある感じ。Deathのカバー、Spiritual Healing収録のAltering The Futureもやってました。そういえば、以前Dennyが一番好きなドラマーはSpiritual Healingの時のドラムBill Andrewsだって言ってたな〜。
Rote Mare
3番手は地元アデレードのドゥームメタルバンドRote Mare。
Black SabbathのBlack Sabbath(曲)の路線をベースとした、ダークでどんよりとした伝統的なドゥームメタル。全2バンドの激しいライブから、グッとアダルトな雰囲気に変わった渋〜いサウンド。
Innsmouth
目が飛び出た半魚人の町インスマウス。
個人的にバンド名だけで期待大なクトゥルーデスメタルバンド! Mournful Congregationとスプリットを出していたStone Wingsや、Murkurat、Sacriphyxなどのメンバーが在籍のトリオ編成。
クトゥルー系というとどうしてもMorbid Angel的なのを想像しますが、このバンドは、ミドルテンポ主体でどろっとした雰囲気のリフに、ハイピッチで叫ぶヴォーカルがからむおどろおどろしい感じのもっさり系デスメタル。
Mournful Congregation
いよいよMournful Congregationの登場!
2010年の来日公演でギターを弾いていたオリジナルのギタリスト・ドラマー、Benが脱退して、Stone Wings、The Slow DeathのStuが加入。
今回は初めてライブで名曲The Monad of Creationを演奏すると聞いてたんですが、まさかのしょっぱなにそれをぶつけてきました! いや〜、もう感動! 約20分の超大作をアルバム通り、いやそれ以上のクオリティで再現!
そんなにすごい機材使ってる訳でもなく、アンプのクリーンとディストーションチャンネルを使い分けているだけなのに、これだけ多彩な音を紡ぎだすのはさすがです! 新加入のStuも元々ドゥームバンド歴が長いだけあって見事にはまってましたね。
そして今のところの最新アルバムThe Book Of KingsからWaterless Streams、Tears from the Grieving Heartから Skyward Gaze, Earthward Touchと、初めてライブで見る曲を立て続けに演奏! 最後はSuicide Choirでシメ。
今回持ち時間が50分ということで、ちょっと物足りない感じもありましたが、大満足の50分でした。前回、来日公演で一緒にやった時から数段グレードアップしてますね。4月からはヨーロッパツアーも控えているとのことなので、このまま行けるところまで突っ走ってほしいですね。
Inverloch
さて、ここで今回一番楽しみにしていたInverlochの登場!
伝説のドゥーム / デスバンド、diSEMBOWELMENTのメンバーが2人在籍するバンド。昨年発表のデビューEPがまさにdiSEMBOWELMENTの後継にふさわしい音だったので、期待度十分!
しょっぱなはおそらく新曲。その後EPの3曲を立て続けに演奏。個人的に、EPでもっとも好きな曲Shadows of the Flameはしびれましたね。途中のズンズン重苦しいリフとブラストのコンビネーションや、最後の単音のどこか物悲しくもダークなメロディーなんてまさにdiSEMBOWELMENT!
さて、Inverlochとしての曲をたて続けて演奏したところで、20年前へとタイムスリップの時間!
diSEMBOWELMENTの名曲、The Tree of Life and Deathの最初のあのリフが始まった瞬間、会場全体の空気が一気に変わりましたね。この時はもう夜の11時前ぐらいでヘロヘロだったけど、がんばって首降りまくってきましたよ!
最後はExcoriateでシメ。ほかにもThe Spirit of the Tall HillsとかYour Prophetic Throne of Ivoryとか聴きたい曲いっぱいあったけど、50分のセットなのでしょうがない。
ぜひ、次回はロングセットで見てみたいものです。
Portal
トリは今年11月の来日公演も決まったPortal !!
前回、2009年に見た時は、ラブクラフトの銀の鍵に出てくるド・マリニー氏の時計を彷彿とさせる時計頭でした。
今回はどんな衣装で登場するのかと想像しながら待っていると、イベントスタッフに誘導されてThe Curator氏登場! 今回の衣装では足下がほとんど見えないらしく、まるで目隠しされた人がつれられているような感じ。
ステージ中央に立つと、その存在感はやはり凄まじい!
今回の衣装は顔全体をベールで覆い隠した、暗黒の司祭とでもいった出で立ち。あの衣装ではほとんど動き回れないですが、手の動きだけで観客を見事掌握! 楽器群の方も、8弦ギターのフレット上を縦横無尽に動き回る指先がまさに圧巻!
かなりテクニカルなことをやっていますが、各楽器の分離よりも全体の突進力を重視したような音作りで渾然一体となって聞き手に迫りくるようなサウンド!
という訳で、全バンドが終わった時にはすでに日付変わってました。大体18:00ごろスタートだったのでたっぷり6時間、オーストラリアのアンダーグラウンドを堪能してきました。
Makoto、話題のINVERLOCHやPORTALをいち早く観て来たなんてなんて羨ましいヤツだ!
PORTALは日本にも来るってことだからそれまで彼らのアルバムを聞き込んで待つ事にしよう!
MakotoのWeird Truthは日本のレーベルだから彼からCDを買えばアンダーグラウンドに貢献できるってもんだ! CDの売上はそのままバンドやレーベルの活動に反映されるからそのお礼に彼は素晴らしいバンドの音源をリリースしたりライブを企画してくれる!!
http://www.weirdtruth.jp/
